「スマイルの森」の看板 上からモンゴル語、中国語、日本語。
宮崎と榧野と現地の人たち
04年度活動報告
05年度の活動報告
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スマイルの森の衛星画像
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’05年度中国内モンゴル地区
ホルチン砂漠の緑化活動報告

  2005年度緑化隊の旅に参加して
                    宮崎直希

 去年に引き続き、スマイルこどもクリニックの海外支援の一貫として昨年度より行なっている、中国は内モンゴル自治区にある、ホルチン砂漠における植樹ボランティアに参加させて頂きました。ボランティアとして継続した活動…ということもそうですが、同じ場所に赴くというのは初めての経験でしたので、とても貴重な経験が出来ました。

去年我々が植樹した場所には、ほぼ全ての苗木が順調に育っていましたし、特に今回は初めて実際に「スマイルこどもクリニックの森」に案内して頂き、これまでの成果をこの目で確かめることが出来たことや、実際にその森を管理して頂いている農村の方々のお宅に、半日ですがホームステイという形で交流することが出来たことは、今後の活動においてお互いプラスに働いたと感じました。

手前は砂漠、フェンスの奥が「スマイルの森」
NGO法人緑化ネットワークの近藤さんと斉藤代表と榧野

植樹作業、一列に穴を掘り、スコッチ松を植える
 それは、我々が実際に現地に出向くことで、管理している方々達にとっての一種の刺激になったとの思いが働いたからです。
 あくまでもこの一連の活動における主役は、現地で生活を営んでいる彼らであるのは言うまでもありません。砂漠化がこれ以上進んでしまうと、放牧や農業を主な生業としている彼らにとって住むところも失いかねません。砂漠化を食い止めるということが、彼らの利益でもあり、緑化が進むことで結局地球にも利益をもたらすのです。


 この活動における我々の存在は、サポート役として彼らに少しでも貢献するのと同時に、見返りとして得たものを、《体験》というフィルターを通してより身近に感じ、日本に持ち帰ってより深く考える端緒にしていくのが理想ではないでしょうか。

 ボランティアに限らず言えることだと思いますが、このような活動にはその過程や結果が「目に見えやすいもの」と「目に見えにくいもの」があると思います。例えば、スマイルこどもクリニックで行なっているもう一つの主な海外支援である、ヨルダン・イラク国境難民キャンプでの医療支援ボランティアと、この植樹ボランティアについて比較して考えてみることにします。医療支援ボランティアにおいて考えてみると、援助する対象が人であることや客観的にデータが揃いにくい点から、その成果が目に見えにくいものです。一方、植樹ボランティアは、苗木の成長であったり、植樹数や活着率(植えた苗木が枯れずに育つ割合を表したもの)において客観的なデータが表わせることから目に見えやすいものと言えるのではないかと考えます。
 でも、果たしてそうでしょうか。この比較的見えやすいと思われる今回の活動についても、実際に現地に行って自ら体験するのとそうでないのではその印象が全く違います。「今回は苗木を400本植えました」とか「東京ドーム○個分の敷地」と言われても、正直想像するのが難しいのではないでしょうか。少なくとも私がそうでした。実際に目にしてきた者の率直な感想として言わせてもらえば、あのスマイルの森の広大さを語るのは非常に難しいと言わざるを得ません。実際に見て、体験することが一番雄弁に物語ってくれます。しかし、今後の私の役割はこの体験を伝えつづけることにあることだと思います。

今後の海外支援活動全般を進めていく上で重要になっていくのは、一人でも多くの人が彼の地を訪れることだと思っています。その為にも、私が得た《体験》を皆さんに語り続けることが、私の役割だと思います。


ポンプで汲み上げた水をバケツリレーで運びます

出来上がった草方格(砂が風で飛ばないように稲わらで作った人工の草むら)で、、、
昨年植えた松、活着率も高く、順調に育っています
瀋陽にある9.18記念館、盧溝橋事件に始まる日中戦争の記録が展示してあり、見学して平和への願いを新たにしました。